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第7回 恐れを抱いた心では、何と小さいことしかできないことでしょう [フローレンス・ナイチンゲール]

看護師だけではない業績

19世紀から20世紀にかけて活躍をしたナイチンゲールといえば、多くの人が看護師・看護教育の第一人者として挙げるでしょう。しかし彼女の業績は、看護師・看護教育にとどまりません。統計学や病院建築・運営でも非凡な才能を発揮しました。

彼女の活躍でもっとも有名なものは、1853年にはじまった近代戦争の中でも稀にみる大規模な戦争であったクリミア戦争での従軍看護です。このときの看護活動はもちろん、衛生改善が注目されます。

数学が得意だったナイチンゲールは、戦闘による負傷よりも、兵舎病院における劣悪な衛生環境下での合併症の発症で死亡する兵士の方が多いことを統計的に解明しました。そして政府をも説得し、衛生状態を改善させ、42.7%だった死亡率を半年で2.2%にまで改善したのです。

これをもとに、1860年に開催された国際統計会議で衛生統計の国際基準を発表して採択されました。また、女性として初めてイギリス王立統計協会会員にも選ばれています。

のちに彼女自身が「看護師の仕事だけが重要ではない」と言っており、その才能の幅を物語っています。いまでこそ女性の社会進出は当たり前の時代になっていますが、その先駆け以上の功績を残しています。

フローレンス・ナイチンゲール
フローレンス・ナイチンゲール


粘着質なまでの看護精神

ナイチンゲールの逸話で驚くものに、親友がナイチンゲールと一緒に看護の仕事をしていたときに、あまりに仕事が過酷でその親友がナイチンゲールに改善を懇願したもののナイチンゲールはそれを叱咤し、なかなか認めませんでした。結局その親友は後日過労で亡くなってしまいます。今の時代でいうとブラック企業といえるかもしれません。

しかしことほどさように彼女は献身的な仕事ぶりだったようで、家族や医者がが止めても死の間際までずっと仕事をしていたそうです。一種のワーカーホリックだったのかもしれません。

看護する、すなわち人を助けるという点においては極めてしつこく粘着質だったようです。そうした粘り強い仕事ぶりが数々の功績の根源になったのでしょう。

一方で愛想は良い方ではなく、他人には無愛想・わがままで、指摘も厳しかったと伝わっています。



しつこい努力

ナイチンゲールをして「白衣の天使」「クリミアの天使」「ランプの貴婦人」などという形容がいわれます。しかし、これらの形容が成り立つには、先に述べたように不断の努力がベースにあったことがわかります。それもただの努力ではなくしつこい粘着質な努力です。

そんなナイチンゲールの言葉「恐れを抱いた心では、何と小さいことしかできないことでしょう」は現代にも十分に響きます。何かを成し遂げるには最初から恐れていたのでは小さなことしかできない、目標のためには恐れなど捨てなさい、と今にも彼女に叱られそうな想像すら浮かびます。

企業経営でも同じで、最初から恐れをなしていてはイノベーションなど生まれません。それが大きな目標であるほど、経営者は勇気をもって臨むべきです。

社長が恐れをなしていては社員も士気がつられて下がるというもの。新たに起業するスタートアップ、新規事業の立ち上げ、経営革新の旗振り、新商品の開発、イノベーション、いずれにしても社長の恐れない姿勢が試されます。


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