第5回 今を戦えない者に次とか来年とかを言う資格はない [ロベルト・バッジョ]
今を戦えない者に次とか来年とかを言う資格はない
これはプロサッカー選手で元イタリア代表のレジェンド、ロベルト・バッジョの名言です。
稀代のファンタジスタ(天才的なサッカー選手)は親日家でもあります。すでに引退して10数年以上経過していますが、彼のこの名言は現在も色あせません。
ロベルト・バッジョのイタリア代表での通算成績は国際Aマッチ56試合出場27得点で、そのうち得点を決めた試合の成績は22試合中18勝4分で「バッジョが点を決めれば負けない」と言われたほどです。
「サッカーに恋をした」と言ってはばからないロベルト・バッジョ、今チャレンジしない者に次などないと喝破します。
挑戦し続けたロベルト・バッジョの選手時代
若き日の彼は、セリエAのフィオレンティーナと契約成立し移籍したわずか2日後に、右膝十字靭帯断裂という大怪我を負います。
普通の人ならここで諦めたり、落ち込んでしまい、なかなか次のステップに踏み出せません。
しかし彼は違いました。クラブ側も辛抱強く彼の回復を支援し、3年後には目を見張る大活躍を見せるのです。
現在のビジネスシーンは市場の変化も激しく、スピードを求め、すぐに結果を求める傾向は否めません。もちろんそれは市場で勝つためには無視できない要素ではあります。
しかし、経営者も従業員もスタッフも、そして取引先も顧客も消費者もみんな人間です。「スピード」以前に、まずは「挑戦」を始めることをしなければ何も変化は生じません。もちろん結果など得られようもありません。
稀代のファンタジスタは天性でそれを知っていたのでしょう。
三日坊主の克服
日本の格言に「思い立ったが吉日」というものがあります。何かをしようと決意したら、そう思った日を吉日としてすぐに取りかかるのが良いという意味です。
ロベルト・バッジョの「今を戦えない者に次とか来年とかを言う資格はない」に通じるものがあります。
「やっぱり後回しにしよう」「〇〇が終わってからにしよう」など、私たちはすぐに言い訳をして目標を後回しにしてしまいがちです。
それは、仕事やビジネスだけに限りません。ジョギングやジム、ダイエット、勉強、宿題、禁煙、習い事など、三日坊主に終わってしまうことが山ほどあります。
経営者の重要な仕事のひとつは三日坊主を組織から遠のけることにあるともいえます。
やり始める儀式
ロベルト・バッジョはこうも語っています。
「PKを外すことができる者は、PKを蹴る勇気のある者だけだ」
これも今回の名言と通じるものがあります。「挑戦」です。
リーダーは、まず自分が「挑戦」し「三日坊主」にならない役目があります。その上で、「挑戦」し「三日坊主」にならない組織づくりが必要です。
そして何を始めるとき、特別な儀式など必要ないということです。
始めるための儀式などをするから、何かと後付けの理由を考えて結局うやむやになります。ならば、特別な儀式などせずに、まるで息を
するように普通に何かをすっと始めるべきです。
まずはトップがすっと自然に何かを始めるのです。その上で、新たな挑戦について組織内で共有するのです。
社長の背中は思ったより見られている
よく社長さんと会話していますと「うちの従業員は私のことなど気にしていない」という言葉を聞くことがあります。
しかし、それはその社長さんの思い込みで、従業員やスタッフは思った以上に社長の背中を見ています。少なくともその組織にいる限り必ず見ています。
ですから、リーダーたるもの自組織で新しい挑戦を実行するのであれば、まずは、まるで息をするように自分が新しい挑戦を率先して始めて見せて、その上で従業員やスタッフにも浸透させていくべきです。
「今を戦わないものに次はない」というロベルト・バッジョの名言も、名言以前に、今でも多くのサッカー選手のお手本になっているはずです。
たとえ小さなお手本でもそうありたいものです。
あなたのスキルは軍師になれる。
中小企業の社長にこそ軍師が必要だ。
日本初、軍師が売り買いできるWebサービス
「gunsy(グンシー)」登場。
https://gunsy.jp/